BlackFace期とSuperReverbの特徴を解説
Fenderアンプの転換点である BlackFace 期
BlackFace 期とは、Fenderアンプのクリーンサウンドが確立した1964年頃の仕様変更以降の時期を指し、その中核を担うモデルの一つが SuperReverb です。
BlackFace 期と SuperReverb の要点まとめ
- BlackFace 期のクリーンサウンドは、世界基準のチューブアンプクリーンのベンチマークです。
- SuperReverb は唯一、ヴィブラートチャンネルにミドルコントロールを備えています。
- スピーカーは10インチ×4で、タイトな低域とレスポンスの早さが特徴です。
- スティーヴィー・レイ・ヴォーンやデレク・トラックスが愛用したことで知られます。
Fenderアンプサウンドの象徴とされるクリーンサウンドは BlackFace 期と呼ばれる1964年頃の仕様変更によって確立し、現在まで世界基準チューブアンプクリーンサウンドのベンチマークとして全てのギタリストから認知されてると言って過言ではないでしょう。
このサウンドの象徴的なモデルがTwinReverbであり、80W出力の豊かなヘッドルームによってチューブアンプの持つオーガニックなクリーンサウンドは世界基準のスタンダードです。
BlackFace 期の DeluxeReverb
同じく BlackFace 期から登場した人気の高いモデルとしてDeluxeReverbもさまざまなジャンルのミュージシャンを魅了し、音楽史上最も多くの音源を残しているアンプと言えます。
20W出力でありながらもクリーンとドライブサウンドを持ち合わせロック、ブルース、ジャズ、R&B、カントリー、ポップスなど、全てのジャンルに於いて今尚、そのサウンドキャラクターが支持されています。
これらは、1990年代にFender社からリイシューモデルが生産されておりFenderアンプを代表するサウンドキャラクターとして現在でも高く評価されています。
BlackFace 期の中間モデル SuperReverb
そんな BlackFace 期のラインナップの中で中間的な出力のモデルであるSuperReverbを取り上げたいと思います。

(https://www.gitarrebass.de/workshops/parts-lounge-blackface-ueberall/)画像先
BlackFace 期の SuperReverbとは?
BlackFace 期ラインナップの中で40W前後の中核を担ったモデルは他にもProReverb、VibroluxReverbなどが有り、6L6×2のパワー部、整流部5AR4などは、共通しているスペックです。しかしSuperReverbは唯一ヴィブラートチャンネルにミドルコントロールが装備されていたことで、他のモデルとは異なるサウンドメイクが可能です。
BlackFace SuperReverb のスピーカーと音の特徴
BlackFace 期のフラッグシップモデルであるTwinReverbと同じEQセクションで、80W出力のTwinReverbほど大音量を必要としないギタリストに新たな選択肢でした。スピーカー部は10インチ×4でレイアウトされており、レスポンスの早さと高域特性、ヴォリュームを上げていった時の中低域はTweed Bassmanの遺伝子を受け継ぎながらもベースでの使用を視野に入れずに設計されたタイトな低域が特徴で 、BlackFace 期の特徴であるクリーンとTweed期から継承されるクランチドライブサウンドを見事にアウトプットしています。
SuperReverb が高く評価される理由
これらの特性によってウエストコーストのギターサウンドは勿論のこと、ブルース、ロック全般、カントリーなど、更にはミッドを備えたEQセクションによってウォームなサウンドメイクが可能で、暖かく豊かなサウンドのジャズにも適したキャラクターを持ち合わせてTwinReverb、DeluxeReverbと並んで、高い評価を受けるモデルと言えます。

(https://www.momanddadsmusic.com/shop/c/p/1963-Fender-Super-Reverb-Blackface-4×10-Combo-Amp-x57581605.ht)画像先
BlackFace SuperReverbを愛用したギタリスト達
ジャンルを問わず多くの著名ギタリストから愛用されたSuperReverbですが・・・やはり、代表するギタリストの筆頭はスティーヴィーレイヴォーンでしょう。S,R,Vの使用アンプについては、ダンブルやVibroverbなどと様々なアンプが有りますが、ブレイク前後から80年代中頃までFenderの BlackFace アンプが中心です。
S.R.Vのサウンドと BlackFace アンプ
中でも最も使用したとされるのがSuperReverbとされます。おそらくヴォリュームは、ほぼフルに近い状態でクランチしたサチュレーションサウンドにストラトで基本のサウンドを造り、手元のヴォリュームでクリーンとクランチサウンドをコントロールして、リードプレイなどで更なるドライブサウンドが必要な時に、彼の使用で世界的な名声を得たペダルTS-9を使用していました。
S,R,Vの死後に発売されたスタジオ未発表テイクを集めたアルバムなどでからもSuperReverbを使用したと思われるサウンドが随所で聞くことが出来ます。個人的にS,R,Vサウンドは BlackFace 期のFenderアンプと恐ろしい程のヘヴィーゲージ弦(0.13~0.58)を張ったストラトが基本であると思っています。
デレク・トラックスと SuperReverb
そしてもう一人、現代のスライドプレイ名手デレク・トラックスです。サザンロックを代表するレジェンドバンドであるオールマンブラザースバンドのオリジナルメンバーであるドラマーのブッチ・トラックスの甥っ子で、音楽的に恵まれた環境で育ったと言えます。彼の名の『デレク』は、エリッククラプトンのアルバム『デレクアンドドミノス』由来します。
このアルバムにはデュアン・オールマンがレコーディングに参加しておりその辺が背景でしょう。デレクも若い時から現在に至るまでSuperReverbの愛用者です。現在ではAlessandroのAZZと言うアンプも併用していますが、このAZZはデレクが所有する BlackFace 期のSuperReverbを細部に渡り研究したアンプであり、実際このAZZのコントロールパネル類はSuperReverbと全く同じで、彼がサウンドは勿論のことSuperReverbに強い拘りを感じます。
また、以前にSuperReverbが盗難にあった際も、すぐに同時期のモデルを数台手配して使い続けてるようです。

(https://www.bonhams.com/auction/19226/lot/33/a-1966-fender-super-reverb-serial-no-a-15064-2/)画像先
Reverb&Vibratoサウンドの乗りは BlackFace 期モデル最高傑作
新たにエフェクト機能であるリヴァーブとヴィブラートを備えた BlackFace の各モデルの中で、それらの効果を最も美しくアウトプットされているのがSuperReverbであると思います。Fenderの伝統的な工法である良質なソリッドパインウッドをフィンガージョイントによって組み上げられたキャビネット部は他のモデルと共通ですが、4×10スピーカーを納めた余裕を持つキャビネットはオープンバック構造と相まって広がりのあるリヴァーブとヴィブラートサウンドが生まれ、これらを多用するカントリープレーヤーやサザンロック系のギタリストが称賛したサウンドであったのでしょう。
著者が使った SuperReverb
著者も実際に70年代などのアメリカンロックサウンドをライブハウスクラスで演奏していた時には常に、SuperReverbを使っていました。BlackFace 期の特徴的な美しくコンプレッション感のあるチューブクリーンとヴォリュームを上げてクランチ程度のドライブサウンドは音量的なパッケージングがよく、ギター側のヴォリュームコントロールで使い分けは容易です。
BlackFace SuperReverb と相性の良いギター
更なる歪みを得たいなら、歪み系ペダルを上手く使いアンプの本質的なサウンドをスポイルしないセッティングでの調整で可能です。また、前述した名手たちのサウンドによって証明されてるように、ストラトなどのシングルコイル系、レスポールなどのハムバッキング系など、どんなギターでもそれぞれのキャラクターが十分に発揮するアンプであることは証左です。
現在、Fender社からリイシューモデルなどで再発もされており、今尚そのサウンドに対する魅力が再認識されてるモデルと言えますね。
SuperReverbサウンドを是非とも体感してみて下さい。
BlackFace 期に関するよくある質問(Q&A)
Q. BlackFace 期とは何ですか?
A. Fenderアンプのクリーンサウンドを確立したとされる、1964年頃の仕様変更以降の時期です。現在も世界基準のチューブアンプクリーンサウンドのベンチマークとして認知されています。
Q. BlackFace 期の代表的なモデルは何ですか?
A. 80W出力のTwinReverbと、20W出力のDeluxeReverbが代表的です。中間的な出力のモデルとして、SuperReverbがあります。
Q. SuperReverb は他の BlackFace 期モデルと何が違いますか?
A. ProReverbやVibroluxReverbと、6L6×2のパワー部や整流部5AR4は共通です。ただしSuperReverbは唯一、ヴィブラートチャンネルにミドルコントロールを備え、サウンドメイクの幅が広がります。
Q. SuperReverb のスピーカー構成は?
A. 10インチ×4のレイアウトです。レスポンスの早さと高域特性があり、ベースでの使用を視野に入れずに設計されたタイトな低域が特徴です。
Q. SuperReverb を愛用したギタリストは誰ですか?
A. 代表格はスティーヴィー・レイ・ヴォーンです。現代のスライドプレイ名手デレク・トラックスも、若い頃から現在まで愛用しています。
Q. SuperReverb はどんなジャンルに向いていますか?
A. ウエストコーストのギターサウンドからブルース、ロック全般、カントリー、そして暖かく豊かなサウンドのジャズまで幅広く対応します。
Q. SuperReverb はどんなギターに合いますか?
A. ストラトなどのシングルコイル系も、レスポールなどのハムバッキング系も、それぞれのキャラクターを十分に発揮します。更に歪みが欲しいときは、アンプの本質を損なわないように歪み系ペダルで調整できます。
あわせて読みたい関連ページ
スティーヴィー・レイ・ヴォーンについては、Wikipediaのスティーヴィー・レイ・ヴォーンの項目でも確認できます。
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