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Marshallアンプ では 初のコンボアンプ 1962 Bluesbreaker | THEONE | ハイエンド エフェクターなどの解説

Marshallアンプ 製品の中で
異色を放つコンボアンプ 1962 Bluesbreaker

Marshallアンプ の中でも1962 Bluesbreakerは、Fender,Voxなどのアンプと同じくコンボスタイルのモデルで、1959/1987ヘッドに1960A/Bキャビネットによるユニット3に代表されるMarshallの象徴的なセパレートタイプとは違い、異色なモデルと言えます。

Marshallアンプ

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https://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/handwired/1962hw/

70年代入りクラッシックロック~ハードロック~H,メタルと続く続く中で、ハムバッキングピックアップとMarshallアンプ によって生み出されてドライブサウンドは現在に於いてロックミュージックのアイコン的なサウンドとしての地位を確立しますが、そのルーツと言えるサウンドは60年代中頃に若きイギリス人ギタリストによって生まれます。そう、ヤードバーズ脱退後のエリック・クラプトンです。

ヤードバーズ時代のエリッククラプトンはTelecasterにVoxアンプで演奏していましたが、その後に加入したJohn Mayall & The Bluesbreakersでは、レスポールにコンボスタイルのMarshall 1962 でナチュラルなオーバードライブサウンドを奏で、その後のロックギターサウンドを定義づけたと言われます。

1962 EC
画像引用

https://note.com/sleepingrockfish/n/n5e7c989851b2

エリッククラプトンとMarshall 1962

ヤードバーズ脱退後のエリックは、車のトランクに納まるコンボタイプのアンプをJim Marshallに依頼したと言われていますが、Jimはヨーロッパで既に人気機種であったVox AC-30に対抗するアンプ製作を思案していたタイミングでもあったのでした。(諸説ありますが、概ねこの二つが語られることが多いようです)

Marshall初のコンボアンプ 1962 のスペック概要は、ヘッド部にMarshall社の主力製品であるJTM45にTremolo機能を備え、セレッション12インチスピーカー2発がマウントされたコンボキャビネットに搭載されました。このコンボキャビネットはセパレートタイプの1960に代表されるクローズドバックとは異なるオープンバック構造であり、独自のサウンドキャラクターを持ちました。黒人ブルースに傾倒を深めていたエリッククラプトンはヤードバーズを脱退後、ブリティッシュブルースの首領と言えるJohn Mayall率いるBluesbreakers参加します。
これを期の自身の機材にも変化が現れ、バーストレスポール(1958年~1960年製)手に、アンプはMarshall 1962 によって極上のドライブサウンドを作り上げ、Bluesbreakersで残したアルバム於けるサウンドが伝説的に語られ、Marshall 1962 は、『Bluesbreaker』の愛称が定着しMarshallを代表するアンプです。

このアルバムでのクラプトンのプレイはブリティッシュブルース黎明期のイギリスを中心に衝撃を与え、ロンドン市内で『Clapton is God』なる落書きが多数される程でした。

このアルバムのレコーディングに於いてクラプトンは、エンジニアから音量に関しての注文を指摘される中でもアンプのヴォリュームを上げ、ハムバッカーが搭載されたバーストレスポールとMarshall 1962 で歴史的なドライブサウンドを生み出しました。もし、エンジニアの指示に従い、アンプのヴォリュームを制御しプレイしていたら、その後のロックサウンドに繋がる指針となったサウンドは誕生しなかったのです。

1962 ブルースブレーカーズ

画像引用

Marshall 1962 サウンドとは?

1962 のヘッド部は、JTM45にトレモロを装備した設計であり、オープン構造のコンボキャビネットにセレッション12インチスピーカー×2搭載されたことで独自のサウンドキャラクターが生まれました。JTM45以降に登場する1959や1987などのPlexiと呼ばれるMarshallサウンドは当然、JTM45のサウンドを受け継いでいますが、決定的な違いは整流部です。

電源コンセントからの電流をサーキット内で使う直流に変換する整流回路ですが、60年代初期までは真空管を使って行うことが主でしたが、シリコンダイオードを使うことで安定的に電気の供給が可能で、徐々にダイオードよる整流回路が主流になります。MarshallもJTM45では真空管による整流回路でしたが、Plexi期からは整流管が無くなりダイオード整流回路に移行します。

ダイオード整流回路は効率もよく、音量的にも安定し相対的に音量も大きいのですが、JTM45に採用されていた真空管による整流はミッド域にコンプレッション感を持つ、独特のサウンドキャラクターを備えます。更にJTM45のパワーセクションは6L6/5881で構成されており、Plexi期以降のMarshallアンプに代表されるEL-34と違い、ヘッドルームが広く、余裕を感じるミッドレンジが特徴です。
クリーミーなミッドを中心とした歪みが特徴のEL-34より、サウンド全体の輪郭がはっきりしていながらもドンシャリではなく艶のある太いミッドレンジは秀逸であり、独特のドライブサウンドが特徴的です。

更に 1962 では、コンボキャビネット構造の特性が色濃く反映されたサウンドと言え、セパレートタイプがメインプロジェクトになっていく後のMarshallサウンドとは一味違ったサウンド特性を持ちます。JTM45と同じアンプ部からの出力をセレッション12インチ×2発で受け止め、オープンバックのキャビネット構造と相まって、大音量でのドライブサウンドでは独特のエアー感が生まれ、正に『オーガニック』なサウンドと言えます。

1962BBrear

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https://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/vintage_re_issues/1962

Marshallアンプ ドライブサウンドは1962 Bluesbreakerによって世に放たれた

Marshallは1962年の創業から自国イギリスのギタリストを中心に、彼らの求めるサウンドに寄り添いながら細かなアップデートを繰り返し新たな製品を投入してきました。そのサイクルは年刻み以上であり、最初のモデルであるJTM45期の数年間でも幾多の仕様変更があります。
ブリティッシュロック黎明期の若きギタリスト達が望んだサウンドを新たな製品で応えて、良好なリレーションシップを構築してミュージシャン達と共にブリティッシュロックを作り上げていったと言えます。

そんな背景の中でMarshall初のコンボアンプ 1962 は登場し、前述のようにエリッククラプトンがBluesbreakersのアルバムでMarshallサウンドの方向性、キャラクターを世に示しました。その後、大音量ギターアンプを必要とする背景の中で登場する1959や1987などのセパレートタイプのスタックモデルでも、そのサウンド傾向は継承され、そのドライブサウンドは『Marshall=ブリティッシュサウンド』と形容されるキャラクターを決定づけ、今日に至っているのです。

そのルーツと言えるサウンドは、セレッションG12/25W×2がオープンバックコンボキャビネットに納められたコンボアンプ 1962 でエリッククラプトンによるサウンドであることは歴史的な事実です。スタックスタイルの時代を象徴する『攻撃的な高音域、厚みのある中音域、ブミーにならずタイトで重厚な低域』とはまた違った『豊潤でエアー感を備えた』Marshallサウンドも、ロックミュージックをプレイするギタリストには是非とも体験してもらいたいサウンドです。

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