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マーシャル1959 のサウンド決定づけた 1960キャビネット | THEONE | ハイエンド エフェクターなどの解説

マーシャル1959 のサウンドは 1960スピーカーキャビネットと共に誕生した

マーシャル1959 は、Plexiアンプを好むギタリストであれば100%のユーザーがご存じかと思います。
マーシャル1960 スピーカーキャビネットは、現在まで続くマーシャル社のフラッグシップモデルである1959が登場する60年代中期に送り出されました。エレキギターを演奏するギタリストのみならず、一般リスナーであっても最も目にするスピーカーキャビネットであり60年代の登場以来、他のアンプブランドにも多大な影響を与えたセパレートタイプエンクロージャーの元祖と言える地位を確立し「セパレートアンプ=Marshall」と真っ先にギタリスト達は認識しているでしょう。
ロックミュージックが多様化していった60年代後半、大音量を求めるギタリスト達は100Wモデルである1959ヘッドに4×12インチで構成された 1960A + 1960Bスピーカーキャビネットで3段積みのユニット3と呼ばれる、壁のようなマーシャルは現在までロックバンドのアイコンとして定着しています。この100ワットモデルである1959ヘッド誕生は、マーシャルを決定づけるサウンドキャラクター生み出し、現在に至るまで認知されていると言えます。

しかし、当然ながらそのサウンドとは4×12インチスピーカーをクローズドバック構造に納めた 1960キャビネット によってアウトプットされており、1960キャビネット無くしては語れないのです。それぞれの時代に求められるサウンドは変化し、アンプヘッドもそのニーズに合わせて生産されており、現在まで多くのラインナップが有りますが 1960 スピーカーキャビネットは60年代から現在に至るまで生産を続けられ「このスピーカーキャビネットこそがマーシャルサウンドの肝だ!」とするギタリストが多いのです。
そこで今回、マーシャル1959 アンプヘッドと共に60年代に誕生したスピーカーキャビネット 1960 にフォーカスして考察したいと思います。

1960
画像引用:https://marshall.com/live-for-music/history/the-story-behind-the-infamous-marshall-stack

マーシャルアンプはどのように誕生したのか?

現在ではアメリカ製のFenderアンプと共に双璧であるMarshallアンプは、創立者Jim Marshallによって60年代初頭に産声をあげます。当初、ドラマーであったJim Marshallはドラム専門店として『Jim Marshall and Son』を家族経営で立ち上げます。若手ドラマー達がショップを訪れ、彼らのバンドメンバー達とも交流を深める中でギタリストの要望に耳を傾けることになります。
Fenderアンプなどを熱望するギタリストの為に、それらを取り扱いますがアメリカから輸入品であり流通は悪く、非常に高価で若手ギタリスト達にとって簡単に手が出せる価格ではありませんでした。
このギャップを埋めるべくJim MarshallはFenderアンプより安価で若手ギタリスト達の要望するサウンドのアンプ開発に着手していきます。社内で最も評価の高かったFender59年型Bass Manを参考に開発が行い、Bass Manとは異なるサウンドキャラクターを持つMarshallのオリジナルアンプ『JTM45』を完成させます。
因みに「JTM」はJim Marshallと息子のTerryの名に由来します。


画像引用:https://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/vintage_re_issues/2245

1959Super Leadと共にマーシャル定番キャビネット 1960 へ

その後の1960年代の半ば頃には、ロックミュージックにおいてのコンサート規模は拡大し、現在のようなPAシステムが確立していない中、更なる大音量アンプが求められます。それらの要求にこたえる形で100Wモデルである『1959』スーパーリードが誕生し、その出力に対応したセレッションG12/25W×4を備える 1960 スピーカーキャビネットも登場しました。
この100ワットモデルは当初、ピートタウンゼント(The Who)要望で開発され、キャビネットには8×12の大型なシステムを要求してましたが、Jim Marshallはトランポの問題などを鑑みて、1960A、1960Bの2つのキャビネットをヘッドと共に3段積みにすることで、この要求に答えました。

この1960Aと1960Bは全く同じセレッションのスピーカーユニットが備えられていますが、それぞれ特徴的な構造によって異なるサウンドキャラクターを持ちます。1960Aキャビネットは上段2つのスピーカーが取り付けられているバッフル板がスラントしており、ギタリスト自身のサウンドを把握することが容易でモニター的な要素を持つ設計になっています。このスラント構造はキャビネット全体のデザインにも及んでおり、アンプヘッドを上に乗せた際に、ヘッドの幅と同じサイズになっており、ルックス的にも洗練されたデザインを実現しています。(この設計に関しては諸説あり、ヘッドの幅と合わせるデザインを優先してなのか?音響的な効果を求めた結果なのか?謎な部分ですが、いずれにしても結果的にスピーカーが斜め上方向に取り付けられたサウンド的効果は絶大と言えますね)

一方、1960Bキャビネットはフラットな形状で4つのユニットは全て正面向きに取り付けられており、クローズドバック構造の特徴である圧倒的なサウンドの直進性と、キャビネット内部の体積の違いによる豊かなヘッドルームで低域が強調されたサウンドが特徴的です。Marshallアンプは100ワットモデルである『1959』開発の頃から初期の『JTM45』に使われていた6L6パワー管をヨーロッパで一般的であった高出力なEL-34に変更したことでブリティッシュサウンドと呼ばれるクリーミーで密度の濃い歪を持つMarshallオリジナルサウンドを確立したと言えます。


画像引用:https://www.mi7.co.jp/products/softube/marshall-plexi

レジェンドギタリスト達とMarshallアンプ

50年代後半に『ロックンロール』の誕生によってイギリスでもそのサウンドの影響を受けたバンドが登場します。最も代表するバンドはビートルズになるのでしょう。
デビュー当時こそ『ロックンロール』を色濃くあふれたサウンドでしたが、その後の60年代はアルバムごとに進化を続けていったように、イギリス音楽シーン全体が変化を繰り返し、ロックミュージックが確立してゆくことになりますが、ロックンロール誕生以外にどのようなことがイギリスシーンに影響を与えたのでしょうか?黒人ブルースマンによって持ち込まれたサウンドが多大に影響したと言えます。彼らに言わせれば『ロックンロール』はブルースを期限とする新たなポピュラージャンルに過ぎなかったのでしょう。バンドアンサンブルの中でヴォーカルと共にギターをフロント立つスタイルを発展させてジョン・メイオールブルースバンドなどブリティッシュブルースと呼ばれるブルースバンドが登場し、時代と共にブルースロック~ハードロック~ヘヴィメタルと現在に至るのです。

このロック黎明期と言える時代のギタリスト達は、現在レジェンドとされるE,クラプトン、J,ベック、J,ページ・・・・あげたらきりが有りませんが、彼らの若き頃です。このロックミュージック黎明期に活躍してギタリストの殆どが「Marshallアンプで自身のサウンドを構築していった」と言って遜色無いほどで、過去の映像などからも理解できると思います。彼らの求めるニーズにJim Marshallは応え新たな製品を生み出したことでMarshallサウンドがロックミュージックを決定づけたサウンドと言われる所以でしょう。ピートタウンゼントによる1959SuperLead、誕生やエリッククラプトンの要望で開発された1962Blues Breakers Comboやリッチーブラックモアによる1967Major200W等々と。

マーシャル1959
画像引用:https://marshall.com/amps/products/cabinets/1960ahw-and-1960bhw

Marshallサウンドとは1960 キャビネットと共には構築されていった

このようにMarshallは60年代の英国でロックンロール~ブリティッシュブルース~ブルースロック~ハードロック~ヘヴィメタルと音楽シーンが発展していく中で、常に新たな音楽の方向性を模索するギタリスト達が求めるサウンドに寄り添いながらアンプを提供し、極上なドライブサウンドを作り上げたことで「ロックサウンド=Marshall」と形容され、ほとんどのギタリストが認識してるのです。

著者は今から遡ること40年以上前、10代の頃にリハーサルスタジオで初めてMarshallアンプに触れましたした。その圧倒的な音圧感は、それまで弾いた他のアンプとは全く別物であり、「これがあのMarshallなのか!」と強烈な印象を覚えたことを今でも記憶しております。(何故かピンスイッチ期の70年代前半モデルだったような)その後にMarshallを手に入れハードロックバンドで使う中での印象は、想像していたより歪みは控えめでしたが、エッジの効いたワイドレンジなサウンドに当時使っていたMaxon D&Sで歪みを補うことで満足度の非常に高いゴキゲンなサウンドでした。
そして何と言っても粒立ちの良い太い低域は直線的で高い指向性を持ちロックサウンドには不可欠で、ドライブサウンドでのパワーコードなどはMarshallサウンドが無ければ成立しなかったでしょう。

この「直線的で高い指向性」は4×12クローズドバック 1960 スピーカーキャビネットによって生み出されており、Marshallサウンドを語る中で非常に大きなファクターであることは間違え有りません。リハーサル時に客席側からサウンドチェックを行えば、この 1960 が持つ「直線的で高い指向性」をリアルに体感できます。

現在、モジュレーターなどで『Plexi Marshall』など呼ばれるサウンドのサンプリングが散見されますが、これは60年代1959ヘッド+1960スピーカーによるサウンドを指すと思います。しかし、実際に 1960 スピーカーキャビネットで出力しなければそのサウンドを体現することは出来ない言えます。Marshallはヘッドアンプばかりに注目が集まり、市場でも特にヴィンテージ期の物は非常に高価で取引されています。ヘッド部で回路をデザインしサウンドを構成している心臓部であり、着目するのは理解できますが、このアンプヘッドから送られた信号は 1960 スピーカーキャビネットによって最終的なサウンドが完成するのです。70年代からMarshallスタックを使っていたレジェンドと呼ばれるギタリストの中には、操作性、エンドースメントなどの理由で現在では他社のアンプヘッドを使っていても、キャビネットは当時からずっとMarshall 1960 が多くいます。
やはりスピーカーキャビネットとして 1960 がもたらす強烈なサウンドキャラクターは何物にも代えがたいのでしょう。現在ではMarshallアンプをオマージュしたブランドが多々ある中、Marshallアンプはそれらの中心に君臨しているのは間違いないでしょう。

60年代から現在まで一貫するMarshallサウンドとは 1960 スピーカーキャビネットに有ると著者は思いますが・・・皆さん如何でしょうか?

マーシャル1959 DYNAX IR のご案内

日本国内では既に非常に多くのユーザー様にご利用頂いている DYNAX IR、メーカーページにも記載の通り、そのレスポンスと臨場感、音質は他のIRとは比べ物にならない程 高品質なキャビネットIRとなっております。
本稿で紹介した マーシャル1960A もDYNAX IRの中では人気のあるIRとなりますので、是非ご検討ください。

DYNAX Mars1960A キャビネット IR

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