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HOTONE AMPERO 2 Stomp アンプシミュレーター だけではないその機能とは? | レビュー

HOTONE AMPERO 2 Stomp

HOTONE AMPERO 2 Stomp は、アンプシミュレーターを搭載するマルチエフェクターとしては比較的お手頃な価格で購入できるということもあり、人気の機種です。初代AMPEROから大幅に機能がリニューアルしたこともあり、実際のサウンドクオリティーや機能性について検証したいと思います。

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初代AMPEROについては下記ご覧ください。
HOTONE AMPERO

初代AMPEROとの違い

HOTONE AMPERO 2 外観

まず外観です。初代AMPERO、またはAMPERO ONEに搭載されていたエクスプレッションペダルが廃止され、全体的に小型となりました。小型化することで今お使いのエフェクターボードに設置することも容易となり、同じ価格帯のLINE 6 HX Stompよりほんの僅か大きいサイズとなっています。カラーもホワイトになり、明るくDTMデスクでも華やかなイメージになったと思います。ディスプレイは4インチ(800 x 480)、高解像度タッチパネル対応のフルカラーディスプレイを備え視覚的に操作が可能となっています。

大幅に強化されたプロセッサー群

初代モデルに採用されていたDual Core DSPプロセッシングから、次世代Tri Core DSPプロセッサーに変更となりました。これにより複雑な演算が可能となり、HOTONEのモデリングテクノロジーである「CDCM HD+F.I.R.E」も強化されています。また、デジタル機材の入出力を担うAD/DAコンバーターもCirusLogic製からESS製 Sabre AD/DAコンバーターになりました。ESSのコンバーターは音質に優れ、プロフェッショナルのレコーディングや高級オーディオ機材にも採用されています。AMPEROの新旧モデルのDAコンバーターのDynamic Rangeだけを比較しても、114dBから127dBと飛躍的に向上しており、アナログのアンプに迫るレンジになっています。

自由度の高い エフェクトルーティング

デジタルアンプシミュレーターの殆どは内部にエフェクターを搭載しています。実際のアナログエフェクター機材を用いた場合、「ギター→ワウ→コンプ→オーバードライブ→ディレイ→リバーブ…」と接続をしますが、マルチエフェクターにおいても同様にエフェクターの並びを再現することができます。ただし機種によっては内部のルーティングが固定となっていることもあり、初代AMPEROもエフェクターの並びは変更することができませんでした。AMPERO 2 Stompからは エフェクトルーティング を自由に組むことが可能となり、18種類のエフェクターブロックを最大12個配置することができるようになりました。またエフェクトルーティングは2段となり2種類のエフェクターを並列で処理することもできます。例えば、空間系の最後に位置するディレイとリバーブを直列ではなく並列でかけるといったことも可能です。

搭載アンプモデル・エフェクターが増えました

搭載されているエフェクターが242種類から460種類へ、アンプモデルも64種類から87種類、キャビネットモデルが60種類から68種類、IRが20種類から50種類と更に強力なラインナップとなりました。

IRサンプルが強化

キャビネットシミュレーションを担うIR(Impluse Response)データーが、前作の1024 Sampleから倍の2048 Sampleと倍のサンプルとなりました。初代AMPEROは内部処理を44100KHzで処理しているため、1024 Sampleの場合1024/44100 = 23msecがデーター長です。AMPERO II Stompは2048 Sampleを採用したことにより2048/44100 = 46msecと倍のデーターを元に処理されます。これにより更にリアリティーなキャビネットシミュレーションを実現しています。

内部電圧が24Vに

内部動作電圧が前作の18Vから24Vと昇圧回路が強化されています。この電圧はデジタル部ではなくアナログ部の動作電圧ですので入出力の周波数特性やダイナミックレンジの向上に直結します。

入出力が強化!

まずメインインプットがステレオインプットに対応となりました。更にステレオ対応のエフェクトループを備えており、メインと合わせると合計で4系統のモノラル入力が可能です。アウトプットも同様にモノラル4系統となっています。ヘッドフォンやAUX入力は別系統として備えているため主要な入出力を占有してしまうこともありません。また近年PCの標準的なインターフェイスとなっているUSB Type-Cコネクターとなり別途変換ケーブルを用意することなくダイレクトな接続が可能となっています。

HOTONE AMPERO 2

実際に音出しチェック

実際の自宅録音やDTM環境に合わせ、AMPERO 2 StompのINPUTにストラトを、OUTPUTはパワードモニターに直接接続します。エディターの操作感もチェックするため、MacBookProのUSBとAMPEROのUSBをType-Cコネクターで直結しました。するとまず驚いたことに、AMPERO 2 StompをMacBookのオーディオインターフェイスとして認識をしました。

これは普段使いのオーディオインターフェイスとしても使えてしまうのではないか?と思い普段リファレンスとして使っているチェック音源を再生してみました。印象として2-3万円クラスのエントリーモデルのオーディオインターフェイスかそれ以上の音質です!低価格なエントリーモデルのオーディオインターフェイスはUSBからの電源で駆動する、いわゆる「バスパワー」を採用していますが、AMPERO 2 Stompは専用にアダプターから給電を受けます。AMPERO 2 Stompの音質は安定した電源と新規で採用となったESS Sabre AD/DAコンバーターの恩恵で間違いありません。

少し色々な音源を聴いてしまい、肝心なギターアンプシミュレーターとしての存在を忘れてしまいそうになりました…ギターを手に取りメーカーのファクトリープリセットからチェックします。この手のアンプシミュレーターのファクトリープリセットは「こんな変わった音も出せるんだぜ!」と言った少しトリッキーなプリセットが多いのですが、アンプモデリングの音を聴け!と言っているかのようなプリセットが中心。前作や他社のアンプシミュレーターも一通り触ってきましたがAMPERO 2 Stompはとにかく「ライン臭さ」や「音の線の細さ」がありません。試しにCABやIRの所謂キャビネットシミュレーションをオフにしてみましたが、アンプのブロックだけでも違いを感じます。また、デジタルモデリングにあるレイテンシー(音の遅延)もあまり意識することなく演奏ができます。

HOTONE AMPERO 2 エディターを使ってみる

AMPERO 2 Stompは同じ価格帯の他機種と比べて大型タッチパネルのディスプレイを備え視覚的に操作が可能ですが、専用のPCエディターも用意してます。(エディターはメーカーサイト、または日本代理店のサイトから無償でダウンロードができます)PCとAMPEROをUSBで接続しエディターを起動すると接続されたデバイスを認識します。ちなみにファームウェアと言われるAMPEROの内部ソフトもこのエディターからアップデートできます。ファームウェアは製品の細かなバグの改善や新しいモデリングの追加が出ることもありますのでこまめなチェックをお勧めします。

エディターを起動すると左側にプリセットリスト、右にエフェクトルーティングの画面が大きく表示されています。ルーティングは左が入力で左が出力、その間にエフェクトやアンプのそれぞれブロックが配置されています。それらをブロックをクリックすると画面下段にはエフェクトのエディット画面が表示されますので音を出しながら好みのサウンドになるように調整ができます。また、ブロックをクリックすると各ブロックにアサインしているエフェクトタイプを変えるリストも表示されますので、例えばCOMPがアサインされているブロックをOVERDRIVEへと変更ができます。エフェクトは種類毎にカテゴリー分けされている他、単語で検索もできるので目的の音を探すことも簡単に行うことができます。

IR(Impluse Response)と言われるキャビネットシミュレーションを行うためのIRデーターもこちらのエディターから本体に取り込むことができます。AMPERO 2 Stompには既にスピーカーメーカーとして最大手のCelestion製のIRデーターがいくつかインストールされていますが、もしお気に入りのIRや試したいIRが見つかった場合はこちらからインストールして下さい。インストールしたIRは本体の中に保存されますので、エディターを接続しなくても使用することができます。

自由なルーティング

AMPERO 2 Stompに限らず、アンプシミュレーター + マルチエフェクターは実際のアナログのエフェクターやアンプの接続順と役割を考えた上で音作りを行うことが大事です。かつては無数のコンパクトエフェクターや冷蔵庫のようなラックを用いて始めて出すことができた音を、このコンパクトな一台で配線順も含めて再現することができます。他のアンプシミュレーターではこの接続順が固定となっている機種もありますが、AMPERO II Stompは自由にレイアウトを組むことができます。エフェクターやアンプの接続順にはセオリーのようなものもありますが、筆者が実機で好きなアンプやエフェクターを並べてレイアウトを組んでみました。

Ampero

初代AMPEROから大きく変わったのがエフェクターを2段の並列レイアウトを組むことができるようになったところです。上のレイアウトを見ていただくとわかりますが、アンプの後に配置してあるディレイとリバーブのブロックを並列接続にしています。これはディレイ→リバーブと直列接続にした場合、ディレイの残響音にリバーブが重ねてかかるのを防ぐための手法です。並列接続するとディレイとリバーブの音がはっきりと分離しますのでサウンドが濁ってしまうことがありません。

HOTONE AMPERO 2 をオーディオインターフェイスとして

ギターアンプシミュレーターとしてはもちろん、驚いたのがオーディオインターフェイスとしてのクオリティーと性能の高さです。先述の通りAMPERO II StompはメインインプットがL/Rと外部エフェクトのステレオリターンの合計4モノラルインプットとなっています。これらに入力された信号をDAWソフトにそのままインプットとして信号を送ることができます。例えば、MAIN IN LがギターインプットでAMPEROのアンプシミュレーターやエフェクトかけた音を、FX Return L/Rにシンセサイザーや音源などを接続すると、DAWではINPUT1がギター、INPUT3/4がシンセサイザーの入力としてそのまま録音することができます。AMPEROの1-4の入力された信号はそのままUSB Audio 5-8にもルーティングされますので、ギター録音の際の入力信号をそのまま録音することで、録った後にアンプのモデルを変更する、所謂リアンプ用のトラックも簡単に作ることができます。

インプット同様にアウトプットも4系統備わっていますので、メインモニターのL/R以外の他の機材にも接続が可能です。AMPERO II Stompの左上にあるVOLUMEが全体のマスターボリュームとなっていますので、モニタースピーカーの音量を状況に合わせ感覚的に調整が可能です。更にはMIDI IN/OUTもついていますのでシンセサイザーやマスターキーボードを接続したり、まさにギターリストのDTMホームスタジオの中枢として十分な機能が備わっています。

AMPERO
オーディオインターフェイスとしてWindowsはASIO、MacOSはCoreAudioとして認識します。ASIOの専用ドライバーはメーカーサイト、または日本代理店のサイトからダウンロードが可能です。MacOSはドライバーは不要です。

HOTONE AMPERO 2 まとめ

ここまで HOTONE AMPERO 2 Stompについてご紹介させて頂きました。進化したDSPとAD/DAコンバーターによる優れた音質は勿論のこと、アンプシミュレーターとしてだけではなくクリエイターのツールとしてもお使い頂ける豊富な入出力と機能を持っています。アンプシミュレーターが欲しいけど宅録用にオーディオインターフェイスも欲しい!と思って検討してる方にも自信を持ってイチオシのアイテムです。

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