ブティックブランド|元祖FULLTONEの歴史と代表モデル
ブティックブランドの元祖 FULLTONE
今でこそ楽器店に足を運ぶとエフェクターコーナーには様々なブランドのエフェクトペダルが並んでいますが、30−40年前は国産ではBOSSやMaxon、海外製品ではMXRやDOD、ELECTRO HARMONIX…と、現在のように多数のブランドはありませんでした。今回は、ブティックブランドの元祖 FULLTONE の歴史を紹介します。
90年頃になるといわゆるハンドメイドでエフェクターペダルを作る、いわゆるブティックブランド(ガレージメーカーとも言います)のエフェクターが登場しますが、その中でも最初期に創立したのが FULLTONE です。
ブティックブランドの元祖 FULLTONEの要点まとめ
- FULLTONEは、1993年にMichael Fuller(マイク・フラー)によって設立された、ブティックブランドの最初期のブランドです。
- FULLTONEが他のメーカーに最も影響を与えたのは、「3PDT」スイッチ(トゥルーバイパス)です。
- 大ヒット作は、2004年に発売されたオーバードライブ「OCD」です。
- ビンテージ機材を徹底的に研究した、ネオビンテージと言える製品を開発しています。
ブティックブランドの始まり
FULLTONEは1993年にMichael Fuller(マイク・フラー)によって設立されました。最初期のFULLTONE製品は稀に中古市場で入手することもできますが、ダイキャストケースと塗装によるいかにもハンドメイドを感じさせる製品でした。
そしてFULLDRIVE、The’70 PedalやThe’69 Pedal、そしてDeja Vibeなど現在FULLTONEより販売されているエフェクターの原型となるモデルが既に存在していることがわかります。
その頃から始まった歴史的名機のビンテージペダルをマイクフラーが分析、研究を重ねるといったFULLTONEのプロダクト作りは現在も続いています。

ブティックブランド FULLTONEの画期的な発明
現在ハイエンドブランドとして知られるFULLTONEですが、FULLTONEによって最も他のメーカーに影響を与えたのは「3PDT」スイッチです。それまでのエフェクターはエフェクターのオンオフを切り替えるスイッチとして「電子バイパス」か「物理バイパス」のいずれかでした。
電子バイパスはFETなどのデバイスを使用する方式で、エフェクトオフの場合にも電子回路をシグナルが経由してしまうことで、FETやバッファーの音のクセがついてしまいます。しかしLEDなどのインジケーターの点灯も同時に制御できるため、BOSSやMaxonなど多くのエフェクターメーカーが電子バイパスを採用していました。
一方、物理バイパスは機械式のスイッチによって信号を切り替えているためエフェクトオフの状態はスイッチの電気的な接点を経由するのみで音質劣化は少ない反面、当時エフェクターのフットスイッチとして使えるものは2回路タイプのものしかありませんでした。
また、2回路のスイッチでインジケーターLEDを同時に点灯させるには工夫が必要で、大切なバイパス信号の音質が極めて劣化してしまう方式しかありませんでした。
そこでFULLTONEはスイッチの回路をもう一つ増設した3回路とした「3PDTスイッチ」を開発します。3回路あればエフェクターへの入力信号をエフェクター回路とバイパス側へ、またエフェクト効果を得た信号を切り替えることができる他LEDの点灯も可能となります。これがいわゆる「TrueBypass(トゥルーバイパス)」です。
この画期的なスイッチの登場は、現在の他のメーカーも採用をしエフェクターのスイッチの定番となっています。

FULLTONE ブティックブランドからハイエンドブランドの代表へ
その後生産規模も拡大しケースも自社デザインのものに移行していきます。
その中でも大ヒットとなったのがFULLDRIVE 2です、初代FULLDRIVEにBOOSTスイッチを新たに増設し、ゲインボリュームのブーストを実現しました。
世界中のギタリストが愛用することとなり、多くのエフェクターボードに設置されることとなりました。しかしヒットしてもマイクフラーの研究は続き、FULLDRIVEはその後クリッピングダイオードの切り替えを搭載し、さらに幅広い音作りを実現しています。

ブティックブランド FULLTONEの大ヒットペダルの登場
FULLTONEのエフェクターの中でも最大のヒット作となったのが2004年に発売された「OCD」です。
コンパクトでクリーム色の筐体に馴染みのある3つのノブで構成されたオーバードライブはそれまでのエフェクターで採用するダイオードクリッピングにはじめてMOS FETを使用しました。コンプレッションのある十分な歪みに、ダイナミクスを付加させたOCDのドライブサウンドはとても音楽的なトーンが得られます。
OCDもまたマイクフラーにより様々な改良が加えられ、初代OCD V1.0からV1.8まで変遷があります。その後現在のOCD V2になりました。OCD V2はアウトプットに切り替え可能なBufferを搭載する他、心臓部であるクリッピング回路も改良されています。
発売から18年が経った今も人気で、オーバードライブペダルの代表的な存在となっています、その人気はギタリストのエフェクターボードの中で最も登場することの多いペダルとして専門誌でも取り上げられています。

FULLTONEは絶え間ない研究を惜しまない
FULLTONEの製品は、冒頭で説明した歴史的名機と言われるビンテージ機材の研究です。現在マイクフラーの手元には相当な数のビンテージのギター、アンプ、エフェクターがあります。マイクはそれらを徹底的に研究した上で現在の音楽シーンにマッチするネオビンテージと言える製品を開発しています。
どのメーカーも製品化できなかったような、ビンテージのテープエコーの名機Echoplexを再現したTube Tape Echoや、Tri-Chorusを復刻したThat’s 80’s Rack Chorusは製造のために必要な特殊なパーツまでも独自で作ってしまうなどマイクフラーのただならぬ熱意を感じます。
そして現在の製品も常に改良し優れたものへと進化し続けていくFULLTONEの姿勢はこれからも続いていくことと思います。

ブティックブランド に関するよくある質問(Q&A)
Q. ブティックブランドとは何ですか?
ハンドメイドでエフェクターペダルを作るブランドのことで、ガレージメーカーとも呼ばれます。1990年頃から登場し、FULLTONEはその中でも最初期に創立したブランドです。
Q. FULLTONEは、いつ誰が設立しましたか?
1993年にMichael Fuller(マイク・フラー)によって設立されました。
Q. 3PDTスイッチとは何ですか?
スイッチの回路を、2回路から3回路に増設したスイッチです。入力信号をエフェクター回路とバイパス側へ切り替えつつ、LEDの点灯も可能にします。これが、いわゆるトゥルーバイパスです。
Q. 電子バイパスと物理バイパスは、何が違いますか?
電子バイパスは、FETなどのデバイスを使うため、エフェクトオフでも電子回路を信号が通り、音のクセがつきます。物理バイパスは、機械式スイッチで切り替えるため、音質劣化が少ないのが特徴です。
Q. FULLTONEの代表的なペダルは何ですか?
大ヒットとなったFULLDRIVE 2と、2004年に発売されたオーバードライブ「OCD」です。OCDは、ダイオードクリッピングに、初めてMOS FETを使用しました。
Q. OCD V2では、何が改良されましたか?
アウトプットに切り替え可能なBufferを搭載し、心臓部であるクリッピング回路も改良されています。
Q. FULLTONEは、どんな製品作りをしていますか?
歴史的名機のビンテージ機材を徹底的に研究し、現在の音楽シーンにマッチするネオビンテージを開発しています。Tube Tape EchoやThat’s 80’s Rack Chorusなどの復刻もあります。
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