ROSSコンプレッサー がヴィンテージ+αの機能を備えて復刻
一世を風靡した ROSSコンプレッサー が再販!オリジナルの魅力そのままに、現代的な改良も施されたペダルコンプの実力とは?
ROSSコンプレッサー は、ミズーリ州カンザスシティにある JHS Pedals によって70年代に誕生した往年の名機ですが、今回オリジナルROSSペダルシリーズの1つとして復活を遂げました。往年のROSSペダルファンの期待に応えるべく、厳しい品質基準に基づいてクラシックなエンクロージャースタイルで製造されています。
オリジナル機は他のコンプレッサーとは一味違ったサウンドキャラクターが支持され、その結果世界中のギタリストとコレクターにとって永遠の定番となりましたが、今では欲しくても手に入れづらいレアで高価なペダルコンプでもあります。
復刻された本機についてはクラシックなROSS回路を搭載するだけでなく、ヴィンテージに新たな改良点も追加した新時代のコンプレッサーとして進化しています。オリジナルから変わらず持っているポテンシャルの高さや、再販にあたり改良されたポイントについて解説していきましょう。
ROSSコンプレッサー とは?
70年代のオリジナル機は実際に多くのスタジオ系ミュージシャンにも支持されてきました。80年代から活躍を続けているファーストコールギタリストK氏も愛用していたと、当時K氏のボーヤをしていたG氏(90年代の人気ロックグループTBのギタリスト)から聞きました。当時、G氏本人も手に入れようとしていた名コンプレッサーなのです。
コンプレッサーによるサウンド面の効果は、歪系の様な顕著なサウンド変化を求めるものではなく、いわば裏方的な要素が強いペダルです。16ビートのカッティングで、若干のアタック感を制御し滑らかなサウンドを演出するなど、補正的な役割のペダルと言えます。
一般的なコンプレッサーでは、極端にアタック音が無くなりサスティーンだけが増加する傾向がありますが、 ROSSコンプレッサー は演奏の中で必要なレンジに上手くフォーカスしたサウンドとなることで、多くのトップギタリストから支持を集めています。
例えば、カッティングでのバッキングギタープレー中、シングルノートのオブリガードで同じセッティングのままプレーするとサウンドは貧弱になりがちです。こういうシーンこそ本機が最大の威力を発揮する場面と言え、原音をスポイルすることなくファット感が増し存在感をアピールします。クランチ系の歪みとの併用ではブースター的な使い方もでき、他のコンプレッサーとは一線を画すキャラクターは唯一無二のギアです。
オリジナルとの違い
今回復刻した再販版では、ベーシックなサウンド設計はオリジナルの70年代ヴィンテージの「Era 2」回路を忠実に再現しており、変えて欲しくはない本質的な部分はそのまま残されています。ヴィンテージ個体から改良された点として、フットスイッチのソフトタッチ・バイパス化による操作性の向上、低ノイズ対策、そして2つの設定を切り替えるモード・スイッチが追加され、汎用性が向上しています。
特にこのモードスイッチが秀逸で、シングルコイル系からハムバッキング系などレンジの異なる楽器にも対応可能になっています。Vintageモードはトラディショナルな ROSSコンプレッサー サウンドを継承していて、オールラウンドに使えるモードです。Brightモードは中低域特性が強いハムバッキング系で活きる設定となっています。
基本的にはピックアップに合わせてシングルコイル系はVintageモード、ハムバッキング系はBrightモードを選択するのがお勧めですが、あなたのサウンドメイクによっては必ずしもこの限りではないでしょう。各モードの特性を理解して、色々と試してみると面白いと思います。
また細かな違いでは、ヴィンテージでは入出力・電源ジャックがサイドにありましたが、再販版では背面に配置されています。
現存するヴィンテージ物は、経年により回路中の石やコンデンサの容量変化でエフェクト時のサウンドが大きく劣化してる物も散見されます。回路の状態は個体差が大きく、実際に試してみなければ使えるか否かわかりません。やはり、状態の良いヴィンテージペダルを探すのは難しいですね。
唯一無二の存在である ROSSコンプレッサー がヴィンテージではなく新品として入手できるようになったのは、往年のファンにとっても最良のコンプレッサーを探していたプレーヤーにとっても、この上ないニュースです。オリジナルに加えてさらに痒い所に手が届くマイナーチェンジが施された実用性の高い仕上がりになっており、今後ギター用ペダルコンプの定番になるでしょう。ご自身のペダルボードに是非収めていただきたい1台ですね。
仕様
・入出力端子:1/4”インプットジャック、1/4”アウトプットジャック
・コントロール:LEVEL、SUSTAIN
・スイッチ:MODEスイッチ、バイパススイッチ
・電源:DC9V センターマイナス
・消費電流値:37mA
・寸法:W 8.9cm × D 12.7cm × H 4.3cm
・重量:500g
ROSSコンプレッサー 商品ページはこちらになります。
最新投稿記事
-
RETROLABピックアップ は、最高峰の ストラトピックアップ だと思います!
-
VERTEX SSS ダンブル系プリアンプは 掛けっぱなしが基本!
-
VELVET COMP VLC-1 を modしてみた DYNAX mod
-
Marshallアンプ では 初のコンボアンプ 1962 Bluesbreaker
-
近代Marshallサウンドの方向性を決定づけた JCM800 シリーズのキャビネット1960A
-
DYNAXオーバードライブ 開発開始しています。
-
STRYMON値上げ ! ストライモン 全商品が 2024年3月15日より一斉値上げになります!
-
マーシャル1959 のサウンド決定づけた 1960キャビネット
-
ストラトキャスター の為に開発されたパーツ Fender
-
エレキギターの2大ブランドの1つ Fender の創業者 レオ・フェンダー とは?
-
日本の エレキギター の歴史と業界 第7話
-
日本の エレキギター の歴史と業界 第6話
HOME > THEONE NEWS,エフェクター レビュー > ROSSコンプレッサー がヴィンテージ+αの機能を備えて復刻