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日本の エレキギター の歴史と業界 第5話 | THEONE | ハイエンド エフェクターなどの解説

エレキギター の歴史と業界 第5話

日本の中での エレキギター 歴史の第4話では、70年代入っての楽器問屋、商社と製造会社(マツモク、フジゲンなど)の関係をマツモク、荒井貿易を中心に書きましたが、第5話では、同時期の富士弦楽器製造(フジゲン)を中心に楽器問屋、商社の関係を紹介していきます。

荒井貿易がマツモクと強い関係で市場を牽引していた70年代、フジゲンは自社で直接の輸出を基本的に止めて、国内に於ける企画、販売を神田商会、輸出は星野楽器として、自社ブランドを中心に楽器製造に徹し、両社の企画販売力と富士弦楽器の技術力が見事に融合したことで、まさに黄金時代を築くことになります。
特に神田商会の企画力は楽器本体のみならず、エレキギター を取り巻く音楽の活性化を促すバンドコンテストなどのプロデュースから、楽器に特化した音楽雑誌の立ち上げなど、来日アーティストラッシュの時期とも相まって、日本の エレキギター を中心とする業界は正にGolden Eraを迎えていきました。
若い世代を中心に エレキギター 人気が高まっていく中で神田商会はアマチュアバンドを対象にしたアマチュア・ロック祭(A Rock)を1971年から開催し、ロックバンドブームに拍車をかけることになり、自社ブランドの『Greco』も含めて更なるエレキギター普及を振興させます。多くのギタープレーヤーが欲しい楽器は、来日ミュージシャンが手にするGibson、Fenderですが、為替レートの関係もあり(戦後から固定相場制1ドル=360円長く続き、その後1971年にスミソニアンレート(1ドル=308円)という時代を経て、1973年から変動相場制に移行するが1977年頃までは260円台~300円台)一部のプロミュージシャン以外はとても手にすることが高価なギアであり、神田商会がプロデュースするGrecoブランドによって市場に供給されていたレスポール、ストラトなど多くのコピーモデルは爆発的な人気を集めていきました。

また1975年には既に楽器店などで流通していたタブロイド紙『Young Mate Music』を音楽雑誌の形態にして、アーティストの使用楽器などにも掘り下げるなど、それまでわずかに存在した音楽雑誌とは違い、ロック全般に特化した内容で、来日アーティストの特集など国内のプロアマ問わずミュージシャンが関心を寄せる音楽雑誌「Player」を創刊し、 エレキギター 人気にも更に拍車をかけていきました。残念ながら2023年に休刊となってしまいましたが、楽器店の広告も多く、ギター購入には先ず「Player」で捜すことが、2000年代までは当たり前でした。

Player エレキギター

依然として神田商会によるGrecoブランドのコピーモデル、輸出はIbanezブランドとして星野楽器が国外と好調なセールスを続いていましたが、この頃にオリジナルモデルを手掛けていくことになります。
この当時、来日アーティストの呼び屋であるUDOは接待の一環として外タレ達と神田商会を訪れることがルーティン化しており、来日ミュージシャンとリレーションを深めていきました。そんな中でBad Companyのギタリストであるミックラルフスのオリジナルモデルを製作することになります。
レスポール然としたスペックにWカッタウェイ仕様のオリジナルモデル『MR』の誕生。実際に本人がステージで使用し宣伝効果もあり、人気のモデルになりました。MRは後のIbanez『ARシリーズ』にも繋がるモデルだったと思われます。
また、同じ頃にアメリカを中心にGibson、Fenderではなくハンドメイドブランドとして支持を得ていたAlembicをモチーフに開発されたスルーネック構造のオリジナルモデル『Goシリーズ』が開発されます。
後にゴダイゴによってプロモーションされ、70年代後期には人気シリーズとなっていきました。

また、当時はフジゲン、神田商会、星野楽器の3社共同で新製品の開発が行われており、オリジナルモデルは星野楽器によってのデザインが多く採用されたようで、Ibanez のIcemanとGrecoのミラージュなどの例がその典型でしょう。星野楽器は国内より海外のマーケットにフォーカスしており、70年代初期にはアメリカに支社を置き、自社のIbanezブランドの販売促進からサービスなどを地道に続けアメリカでのブランド認知が浸透していき、デストロイヤーなど、人気のモデル数々生まれる中、ミュージシャンとのリレーションを深めていき、後にはポールスタンレーのPS-10(Iceman)、ジョージベンソンのGB-10、そしてスティーブヴァイのJEMと続き、トップアーティストのオリジナルモデルを手掛け、現在に至るIbanezブランドを不動の地位に押し上げました。
これだけ著名な世界的トップギタリストのシグネチャーモデルを手掛けたのは、国内では星野楽器が初めてでした。

アイバニーズ

いずれにしても、ハイクオリティなギターを作る技術力を持つフジゲンとの共同開発のよってIbanezの躍進に繋がっていったのです。国内市場は、火付け役となったポプコン、A Rockなどで若者層をロックミュージックに惹きつけ盛り上がり、依然としてコピーモデルが全盛でしたが1978年には国内販売がピークを迎え爆発的な勢いでした。

著者が世話になり、この当時に神田商会で営業をされていたK氏の話では「正月の初売りの時期は朝から大型トラックが工場から次々と到着して、1日に何度も小売店に納品に行き、あまりの忙しさから金一封が出た」と話していました。同時期に著者も初めて エレキギター を手にしましたが、正月の御茶ノ水界隈は物凄い活気だった事を記憶してます。
そして70年代末には、Tokai,フェルナンデスなどが、台頭してきた熾烈なコピーモデル競争が激化していきながら80年代に入っていきます。

日本の エレキギター の歴史と業界 第6話へ続く

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