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新たな F.M.I.C によって設けられた カスタムショップ | THEONE | ハイエンド エフェクターなどの解説

ビル・シュルツ率いる F.M.I.C になり創設された カスタムショップ

カスタムショップ の創設は1987年に遡ります。
暗黒期と揶揄されたCBS期からビル・シュルツ率いるF.M.I.Cとして新たな経営は、正にゼロからの再スタートであり、1957年、1962年モデルのストラトなどを中心に塗装工程なども見直し、オリジナル期のモデルに近づけてくことでマーケットの支持を徐々に高めていきました。安定したクオリティーの量産体制を築く中で、新たな低価格のアメリカンスタンダードシリーズなども生産されていきました。カスタムショップのアイディアは、既に1984年頃、CBSフェンダー期から在籍していたジョン・ペイジらよって提案されていたとされます。その提案は、後に創設されるカスタムショップの理念と同じく、フェンダーのレギュラー製品を製造する工場とは独立して、特別なミュージシャンの為にトップグレードの楽器を手掛ける新たな事業を展開し、マーケットでのフェンダーブランドヴァリューを高める事でした。残念ながらこの提案は、当時のCBSによって廃案になりました。そして、F.M.I.C設立後にビル・シュルツ、ダン・スミスらは カスタムショップ 設立に向けての動きを膨らませていきます。採算は度返しなっても、暗黒期のイメージを払拭し、トップグレードのフェンダーギター生産能力をアピールすることで、フェンダーブランドの名声を市場に浸透させることを目的としました。
そしてギタービルダーのマイケル・スティーブンスと約1年前にフェンダーを退社していたジョン・ペイジに、この構想についての話し合いを持ちます。

カスタムショップ創業メンバーのマイケル・スティーブンスとジョン・ペイジ

マイケル・スティーブンスは1967年からカリフォルニア州オークランドでギタービルダーとしてのキャリアをスタートさせます。当時のサンフランシスコ周辺ベイエリアは多くのミュージシャンが集まっており、彼らの楽器を修理やカスタマイズを手掛けてキャリアを積んでいきました。その後は、70年代後半にテキサス州オースティンに自身のショップを開き、ヴォーン兄弟、エリック・ジョンソン、アルバート・キングなど著名ミュージシャンのギターを修理やカスタマイズを手掛けて、オリジナルのギター製作にも着手し、1979年よりダラスヴィンテージギターショウに参加してヴィンテージ期の楽器に対する知識を深めていきます。マイケルが製作した作品がこのギターショウで『ベストオブショー』を受賞し、音楽誌などにも取り上げられるなどして、マイケルの名声は大きく高まっていく中、Gibsonから誘いを受けますが、F.M.I.Cのカスタムショップ構想に賛同して、その職に就くことになります。
ジョン・ペイジは、1978年の21歳でフェンダーに入社し、ギター研究開発に約9年携わり、4年目からの約6年間は、Fender創業期から働くフレッド・タヴァレスの下でデザインエンジニア、製作に従事していたが、1986年に入ってすぐにFender社を去ります。その約11か月後に、自身らで一度CBS時代に提案したが却下されたカスタムショップ構想をビル・シュルツ、ダン・スミスらが実現に向けて動き出すことを打ち明けられ、カスタムショップ加わることを決めて、マイケル、ジョンとの2人でカスタムショップは船出を始めます。

設立当初のフェンダーカスタムショップ

2か月後に迫っているウインターNAMMショーにカスタムショップでの製品を出展するために製作に着手しますが、当初はカスタムショップの工房はなくマイケルの工房で製作準備が行うなどしていました。その後、コロナ工場敷地にカスタムショップを建設して著名ギタリストのシグネチャーモデルを手掛けていくことになります。Fender社には、カスタムショップに関する問い合わせが、世界中のディーラー、顧客から殺到しており、レオ・フェンダー時代のフェンダークオリティーへの期待が高まっていました。
カスタムショップは当初の構想以上にビジネス面でも成功を収めていき、繫栄していく中で2人体制では困難になり新たなビルダーが加わり生産体制を充実が図られてゆくことになります。カスタムショップは熟練したビルダーによる楽器製作以外にも、フェンダーの楽器開発研究の中枢機関でもあり、新たな製造技術、製造機器のテストが行われてコロナ工場での生産にフィードバックされてフェンダーギター全体のクオリティ向上の役目も担っていました。

90年代から現代までFenderの最前線であるカスタムショップ

世界的にヴィンテージギターがマーケットで注目される中、カスタムショップも各年式のスペックを研究し、パーツ開発などを行って精巧なリイシューモデルを手掛けていきます。アーティストの長年の愛器の精巧なレプリカモデルの研究などで、弾き込まれた塗装の状態やラッカーフィニッシュ特有の経年変化を再現する中で、Relicモデルなどが誕生しました。
90年代中頃からカスタムショップはNOS、CC、Relicの3種類のルックスを持つ仕上げをラインナップします。
*NOSはNew Old Stockの略で、新品当時の状態を再現されており、通常の新品楽器と同じ仕様です。
*CCはCloset Classicの略で、製作された当時から楽器を使用せず長期間保存される中で起きた塗装のクラックや金属パーツのメッキのくすみなど経年変化を再現。
*Relicは長年の使用により塗装やパーツがダメージを負った状態を再現した仕様
同じスペックのギターをそれぞれの仕様で提供し、現在まで続く独自の仕上げで、多くのギタリスト・ベーシストの好みに対応しています。

間もなくして、カスタムショップのビルダーの中でも数名のトップビルダーによるマスタービルダーモデルが始まり、Fender製品の中で最高級グレードの製品として提供されます。通常のカスタムショップ製品は、チームビルトと呼ばれマスタービルダーを含むビルダー達が製作しますが、マスタービルダーモデルはそれぞれのマスタービルダーが1から手掛ける特別なモデルで、細部までマスタービルダーのこだわりが詰まった楽器であり、生産性を求めるのではなく、レオ・フェンダー時代の製造方法を去就した工法で作られる現在でも希少な人気のモデルです。

また、NAMMショーなどに出展するギターや、企業などとコラボレーションし装飾の凝ったデザインの限定生産など『アートギター』と呼ばれるモデルも手掛けており、Fender製品の開発や製造の最前線と言えます。
このようにマイケル・スティーブンスとジョン・ペイジの2人によって1987年にスタートしたカスタムショップはレオ・フェンダー時代の製造方法を忠実に去就しつつ、多くの著名ミュージシャンとのリレーションによって成功を納めながら成長していき新たな研究開発を試みてF.M.I.Cの全製品へフィードバックを行い楽器製造技術の向上に貢献しています。

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