DYNAXオーバードライブ 開発開始しています。 | THEONE | ハイエンド エフェクターなどの解説
DYNAXオーバードライブ 開発開始しています
日頃、DYNAX Junction Buffer や DYNAX IR をご好評頂き誠に有難う御座います。
国内・海外を含め弊社のプロダクトへ高い評価を頂いていることを心より嬉しく思います。
今後も、より高品質な製品を生み出す為に喜んで「いばらの道」を歩みたいと考えております。
さて現在 DYNAXオーバードライブ の開発を開始しております。
プリント基板を触ったり、購入したエフェクターの裏蓋を開けて眺めてしまう方であればご存じのことですが、昨今のエフェクターをはじめとした電子機器は、PCB(プリント基板)に抵抗やキャパシター(コンデンサ)の部品をアッセンブリー工場で実装する表面実装方式が主流となっています。
現在販売されているエフェクターの多くがこの表面実装で生産(量産)しているのではないでしょうか?
表面実装は量産には非常に適しており、エフェクター会社ではなく専門のアッセンブリー工場にて抵抗やIC・コンデンサーなどを組み込み基板を製造しています。そしてさらに専門の工場で完成した基板を筐体に組み込むことで製品になります。一枚基板にジャックやスイッチも実装する設計を取れば、ほぼエフェクターとして成立しており、まさに「コストを抑えた量産」に適した生産方式と思います。
表面実装部品(SMD=Surface Mount Deviceの場合、ICやコンデンサ・抵抗も小型で、これまで販売されてきたスルーホール部品と比べ基板へ実装した場合のスペースも僅かです。それゆえコンパクトで「複雑な回路」を作ることも可能です。近年人気の小型サイズのエフェクターや、多チャンネルオーバードライブ、空間系エフェクターなどに最適です。表面実装基板ではハンダ付けも機械が行うため、狂いもなく仕上がりも奇麗です。
表面実装例
上記はDIAMOND DRIVE の基板です。ピンク色のパーツが一般的なカーボン抵抗。その上に R7 という米粒のような部品が見えると思います。この2つは値こそ違いますが、同じ抵抗です。
以下は、一般的なスルーホール カーボン抵抗
いばらの道 を好んで進む 我々にとっては大量生産する気なんて、さらさら有りません
DYNAX IR の考え方のページでも記載の通り、尋常ではないほど「突き詰めてしまう」のが、私達の性格であり、良い物を生み出す為の努力は惜しまない「DYNAXらしさ」を持って開発に取り組んでいます。決して表面実装が悪いとは言いません、時期に我々もその生産体制を作ることになると思います。
ただし 全てのエフェクターメーカーが製品に採用した「表面実装部品」は製品の試作を行う上で、どのくらいの組み合わせとヒヤリングテストを実施したのか?、また本当に表面実装に使われる部品の音が「最適と判断し」製品化したのか?という疑問が残ります。
例えば、エフェクターを作る上で欠かせないオペアンプは、代表的なものとして デュアルであれば TL072CP / シングルであれば TL071CP があります。これらは、往年のオーバードライブを含む数多くのエフェクターに搭載されてる定番品で、表面実装版のTL07xシリーズも生産されています。しかしながら同じ品番のオペアンプでも、パラメーターこそ近いものの「音」には違いとなって現れます。それは抵抗やコンデンサであっても同じです。
私達がアッセンブリー工場を使わない理由
それは、
・こちらが指定したロットのパーツ(抵抗やコンデンサ等)を実装してくれているのか?
・指定したハンダ材を利用してくれているのか?
などという品質管理をコントロールできる「関係が築けていない 或いは 工場側が築こうとしない」というのが最大の理由です。
ハンダによっても音は変わりますが、特に、抵抗、コンデンサ、オペアンプICについては、製造メーカー、ロットが変わるだけで、エフェクターを変えるくらい音に変化があります。カーボン被膜抵抗と金属皮膜抵抗で2種類の同じ回路を作った場合でも違いがあります。ICについても同様で、同じ型番のオペアンプでも、Burr Brown期とTexas Instruments買収後でも音は異なります。
更に、コンデンサの音の変化は如実です。スルーホールタイプのコンデンサーや抵抗と比べ、SMD部品はまだ歴史が浅く、現存している部品の種類としては比較にならない差があります。オーバードライブの場合、ネガティブフィードバックやクリッピング、ToneやGainなどに104(0.1uf)や103(0.01uf)のカップリングコンデンサーが使用されます。我々は既にプロトモデルで、104だけでも数十種類、103はその3倍ほどのスルーホールタイプの銘柄を取り寄せ、各種抵抗やオペアンプなどの組み合わせをテストしています。
今回のDYNAXオーバードライブも上記のようなトライアンドエラーを「気が遠くなるような時間を費やし」行っております。そのことで、我々が生み出したいサウンドへチューニングされたドライブペダルを生み出すことができる という期待感で前進しています。
現在電子部品を製造するメーカーでは、スルーホール部品のディスコン(製造終了)が進み「新規設計非推奨」となっています。もし我々が実装を依頼する先が、我々がリクエストするそれらの生産完了部品の全てを手配(その実装会社が手配できるパーツ類)できる所、若しくは、我々の在庫を利用して実装ができる所と提携できれば、表面実装のプロダクト開発も視野に入れることができます。
※上記の内容を元に実装会社との関係づくりを併行して進めています。
DYNAX JUNCTION Buffer は、一部表面実装を採用していますが、ICとインプットコンデンサーのみだった為弊社で手作業で組み立てています。
次回は DYNAXオーバードライブ のチューニングについて触れたいと思いますので、楽しみにしてて下さい。
多数の オーバードライブ を掲載中
お蔭様で、多くのお客様に弊社 Theoneストア をご利用頂いており、オーバードライブについても定番の物から最新まで扱っておりますので、以下よりご覧頂ければと思います。
Yahoo店、楽天市場店につきましては、毎月モール側が開催している各種キャンペーンに参加しておりますので、キャンペーン日程等ご確認の上、お得にお買い求め頂ければと思います。
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