エレキギターサウンド をコントロールするポットや ギターコンデンサー | THEONE | ハイエンド エフェクターなどの解説
エレキギターサウンドは ギターコンデンサー やポットの種類によっても変化する
ギターコンデンサー はmエレキギターサウンドにとって重要な役割を果たします。ピックアップを介して弦の振動を電気信号に置き換えてアンプに送られてサウンドが形成されますが、ピックアップが拾う弦振動は、ギター本体の木工部による特性も深く関わっており、ネック、ボディの材質やジョイント方法などでサウンドキャラクターの重要なファクターであることは、皆さん周知のことでしょう。
どのようなタイプのエレキギターでもアンプへ送られる信号をコントロールする為に、ヴォリュームコントロール、トーンコントロールが装備されており、演奏中の俊敏な対応には必要不可欠です。
これら、ヴォリューム、トーンに使われるポットやトーンコントロールに使われるコンデンサーには、搭載されているピックアップの特性によって異なり、最終的にアンプへアウトプットされる エレキギターサウンド に影響を与えます。今回はピックアップのサウンド特性によってチョイスされるポット ギターコンデンサー の種類について解説していきます。
ヴォリューム、トーンに使われるポット
ポットとはポテンショメーター(Potentiometer)の略で、日本では「ポット」英語でも「Pot」と呼ばれ可変抵抗器のことです。エレキギターに使われるポットの抵抗値は250KΩ、300KΩ、500KΩ、1MΩ、25KΩが一般的です。ポットの抵抗値は、数値が大きくなると、低音成分がカットされて、相反的により高音域が強調されたサウンドになります。ピックアップの構造によるサウンド特性によって異なる抵抗値のポットが選択され、ストラトタイプのシングルコイルは250KΩ、ハムバッキングは500KΩなどと認識されていますが、必ずしも絶対ではありません。
ストラトキャスター開発当初から250KΩのポットが使われたことで定番化していますが、50年代ストラトのピックアップ開発で、目指したサウンド特性に250KΩが最適と判断したことで、現在まで定番化したのであり、もし違う抵抗値のポットを採用していれば、皆さんがイメージするストラトサウンドは多少違った感じになっていたでしょう。ちなみにGibsonは1956年までのP-90の時代は300KΩが多く採用され、後にハムバッキングピックアップ登場以降は500KΩになります。これらもピックアップの特性が大きく関係しており、パワーが大きくなるほど高音域特性が減少し中低域成分が増加するので、この傾向を補う数値のポットとして500KΩが選択されたのでしょう。
P-90はどうでしょうか?ストラトなどと同じくシングルコイルですが、その形状、構造、コイルのワインディングパターンにより、高域特性が緩和され、程よい中音域が有りながらもシングルコイルの鋭いアタック持ち合わせており、300KΩなどが採用されています。また、世界初の量産型ソリッドボディエレキギターとして登場したテレキャスターは1968年前後まではストラトと同じく250KΩを採用されていましたが、その後に1MΩが採用されてテレキャスターの持つエッジの効いたサウンドをより強調したキャラクターになりました。また、25KΩのポットはEMG等のプリアンプを内蔵したアクティブタイプ(要電源供給)のピックアップと組み合わせて使用されます。プリアンプを通ることで、ピックアップの信号が、ロー・インピーダンスに変換され抵抗値も下がり、ポットの抵抗値の低いものが使用されます。
ハイエンドモデルに採用されるCTSポット
現在ではGibson、Fenderをはじめ多くのハイエンドブランドのギターに採用され、エレキギター・ベースに於いては最もハイグレードなポットとしてCTSは認識されています。
しかし、50年代、60年代のGibson、Fenderでは、CTS製ポットの一択だったわけではなく、Central Lab社やStackpole社などのポットが積極的に採用されていました。しかし、1970年前後から徐々にCTSが増えはじめて、70年代後半には両社ともにCTS製を採用して現在にまで続いています。おそらく、安定した供給、クオリティーが全面的にCTS製ポット採用の理由でしょう。では、そのクオリティーはどうなのでしょうか?現在では他の電気パーツと同様に、国産のポットも電気部品として高品質を誇っていることは確かですが、エレキギターに使うポットとしての役割に於いては電気的に優れ過ぎているのでしょう。
つまり国産のポットは電気部品としてのクオリティーを追求して高い完成度によって非常に広い周波数レンジをカバーしていると言え、コレをエレキギター用のポットとして使用すると、弾き手側が本来は必要としない超高音などまでもがアウトプットされてしまうことになると言えます。
CTSポットはエレキギターに採用された当時からの品質が保たれておりますが、現在ある様々なポットの中では、電気部品として特別に優れているとは言えないのでしょう。しかし、エレキギターポットとしてのサウンドキャラクターが、弾き手側にはもはやスタンダードと認識されていることが、定番的な地位を確立していると言えます。
電気的に優れていることが、必ずしも弾き手側がサウンド面でのメリットと感じる訳ではなく、ギター内部の配線材でも同様なことが言えます。以前に、オーナー様の要望でギター内部の配線材を全てシルバープレートのベルデン社製に変えたことが有りましたが・・・「音がギラギラすぎる!」と翌日に再度預かり元の配線材に戻したことが有りました。(想定されていたので勧めなかったのですが)このようなこともあり、特にヴィンテージ期のサウンドを追求される方に、ウェスタンエレクトリック社クロスワイヤーのNOS品などの需要も理解できることです。
コンデンサー(キャパシター)の役割
高音域信号がコンデンサーを介してアースの落としポットをコントロールすることで無段階なこもったメロウなトーンを作り出すことでトーンコントロールが可能になります。コンデンサーの容量によってアースに落とせる音域に違いがあり、容量が大きいほど、よりこもったメロウなサウンドになります。一般的にギター・ベースに使われるコンデンサーは0.022µF、0.047µF、0.033µF、0.1µF、0.01µFで、ヴォリュームポットの抵抗値と同様にピックアップのサウンドキャラクターによって容量が選択されハムバッキングは0.022µFストラトなどのシングルコイルでは0.047µFが一般的ですが、60年代のジャズベースなどは0.05µFで後に0.022µFに変化しており、年代によりピックアップのサウンドキャラクター特性の変化に対応して、コンデンサーの容量も変更しており、好みによって違う容量のコンデンサーに変える事でのサウンドメイクも可能です。また、コンデンサーは、その構造によってオイルコンデンサー、セラミック、フィルムなどが有り、オイルタイプが最もふくよかなサウンドの傾向でセラミック→フィルムと平面的なサウンドになっていく傾向です。更に耐圧によっての違いもあり、トーンを殆ど使用しないプレーヤーでも高域成分はアースに落とされており、非常に奥の深い世界です。Sprague社やCornell Dubilier社のNOS品が注目を集めるのも頷けます。
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エレクトリックギターに於ける電気パーツの理解を深める
ピックアップのサウンド特性にポット、コンデンサー、配線材などは深い関りがあり、一般的なセオリーとされる数値などが有りますが、メーカー側がそれぞれエレキギター・ベースのアピールしたいサウンドによって決定していった経緯であり、絶対ではないのです。これらパーツとピックアップとの関連性を理解し、異なった数値のパーツなどに交換してみることも、新たなサウンドを追求する手段として考えてみてはどうでしょう?ケーブルによってアウトプットされるギター本体のサウンドに関わることあり、重要なファクターである筈です。
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