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ディストーション ペダルの元祖 BIG MUFF の歴史 | THEONE | ハイエンド エフェクターなどの解説

ディストーションペダルの元祖 BIG MUFF の歴史

ディストーションペダルの元祖 BIG MUFF はギターアンプが現在のように単体で深い歪みを得ることができなかった時代に、深い歪みを得るために考案されたペダルです。ディストーションペダルが登場するまでは、FUZZが激しい歪みを得ることのできる唯一のエフェクトペダルでした。今回はファズからディストーションへのエフェクターの進化のきっかけとなった BIG MUFF の歴史について解説したいと思います。
BIG MUFF

Electro Harmonixの始まり

Electro Harmonix(通称エレハモ)は、アメリカで1968年にマイク・マシューズ氏によって設立されたブランドです。最初の製品はGuildギター名義でリリースされることとなった、AXIS FUZZで、FUZZ FACEと同じくトランジスタ2石によるファズペダルでした。そして、ブースターペダル LPB-1 Linear Power Boosterをリリースします。アンプへの入力信号をブーストすることで、これまで得ることが出来なかったロングサスティーンを実現し人気となります。LPB-1は現在も生産されている同社のロングヒットモデルとなっています。

BIG MUFF の登場

1969年、マイク・マシューズ氏と、ロバート・マイヤー氏によって革新的なペダルが登場します。同社のMUFF FUZZの回路をベースに、より深い歪みとサスティーン、そしてトーンコントロールを備えました。4石のトランジスタによる回路で、初段ではクリーンに増幅を、2-3段目ではNFB(ネガティブフィードバック)にダイオードを入れることによる、いわゆるダイオードクリッピングで歪みを作り出します。その後トーンを経由した損失を4段目で補うといった回路設計となっています。このBIG MUFFで歪みを作り出す、ダイオードクリッピングをの手法は後々のオーバードライブ・ディストーションペダルにも大きな影響を与えることとなったと言えます。このBIG MUFFの初号機はニューヨークのマニー・ミュージック・ストアで販売され、最初の1台はあのジミー・ヘンドリックスが購入することとなりました。1971年にElectro Harmonixのプロダクト「BIG MUFF Pi」として正式にリリースされました。

BIG MUFF Piは初期モデルは3つのツマミが三角形にレイアウトされていることから、通称「Triangle」モデルといわれています。2期のモデルとなるBIG MUFFからは本体下にElectro Harmonixのロゴである「顔」が羊のように見えることから「Ram’s Head」モデルといわれます。その後BIG MUFFは最も知られるシルバーのケースに黒を基調としたデザインに統一されます。またこのモデルからはトーンコントロールが現在のエフェクターの主流でもある時計回りで高音域が共通されるカーブとなりました。BIG MUFFはElectro Harmonix社の最大のヒット作となり、80年代中頃まで生産されるようになります。

BIG MUFFのサウンドは世界中のギターリストから支持されるとともに、数多くの歴史的作品でその音を聴くことが出来ます。ファズのような荒々しくも繊細なトーンは、BIG MUFFでしか出せないサウンドでした。その後Electro HarmonixからリリースされるSmall CloneやSmall Stoneも同じくヒットエフェクターとなります。

Electro Harmonixの終焉、そしてロシア製 BIG MUFF

Electro Harmonix社は80年代に全ての生産を終了し、創業者のマイク・マシューズ氏はロシアへ移り住み、新たにSovtekの名前でチューブアンプや真空管販売のブランドを立ち上げ新たなスタートを始めます。Sovtekブランドは真空管ブランドとして認知されるようになり最終的には真空管の製造工場を購入します。


しかし、かつてのElectro Harmonix製品がビンテージ市場で取引されることもあり、BIG MUFFの再生産を行うようになります。これがいわゆる「ロシアンマフ」と言われており、製品にはElectro HarmonixとSovtekのダブルネームが記されています。ロシア期のBIG MUFFにはまた独自のサウンドキャラクターがあり、骨太でありながらドライなサウンドはその希少性も相まってビンテージ市場で取引されています。

新生Electro Harmonixの再出発

BIG MUFF
Sovtekでの成功と、Electro Harmonix製品の市場での圧倒的な支持もあり新たにElectro Harmonixのブランドで製品開発を行うようになります。現在のElectro Harmonixの特徴とも言える、飛び道具的なエフェクターやギターシンセサイザーエフェクターでは他のブランドの追従を許さない支持を受けるほかBIG MUFFの再生産も行うようになります。BIG MUFFの唯一の弱点である巨大なケースを、現在の一般的なエフェクターと同じケースに収まるようにデザインするほか、BIG MUFFの系譜を再現するリイッシューモデルも生産しています。それらは全てオリジナルのBIG MUFFのサウンドを忠実に再現することに徹底することに、同社のBIG MUFFへの誇りを感じます。

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